サッポロファクトリーが笑いと感動に包まれる?!第5回「ほっとけないAWARD」

毎月の熱狂ぶりから、今回は、いつもの大人座から場所を変更し、サッポロファクトリー・アトリウムにて盛大に行いました。

サッポロファクトリーで初開催

挑戦者として登壇者するのは、幌延町出身・国内外で多数受賞しているドローングラファ/Geogramsプロジェクト代表の伊藤 広大さん、北見市出身・漁師/魚食系男子project代表/マスコスモ合同会社 代表取締役社長の川口 洋史さん、旭川市出身・吉本興業(株)所属の芸人・とにかく明るい安村さんです。三人の挑戦者によるプロジェクト発表と応援者も交えたブレストタイム、そして最後には特別ミニライブもあり会場は大いに盛り上がりました。

第5回 ほっとけないAWARD@札幌
日時:9/26(木)19:00~
場所:サッポロファクトリー アトリウム
住所:北海道札幌市中央区北2条東4丁目 サッポロファクトリー


全員が参戦者になろう。まずは、チェックインタイム!

「ほっとけないAWARD」には、きっと、北海道のために何ができるだろう?という北海道が大好きな人が集まっているはず…!ということで、参加者同士も繋がってほしいという想いから「チェックイン」という自己紹介タイムを設けています。たまたま席が近かった周りの人たちと三人組を作って、1分半(1人30秒)でお互いの自己紹介を。意外な繋がりを発見したり、新しい出会いがあったりするのも、ピッチイベントのおもしろさ。登壇者の話を受け身で聞いて帰るだけじゃなく、積極的に自分なりの参戦をして新しい挑戦をしたり誰かを応援する!そんなプレイヤーの輪を広げていけたら素敵だと思いませんか。

「ほっとけないどう」が目指す、挑戦しやすい北海道へ

サッポロビールの土代裕也さんより、私達の目指す世界の説明をしていただきました。「ほっとけないどう」の合言葉は「どうなっちゃうの?を、やっちゃうの!」です。挑戦したい人がいたら、北海道でぜひやりましょうよ~!という空気感をつくっていきたいと考えています。元々サッポロビールの起源は、北海道開拓使に由来します。開拓つまり挑戦をテーマに、挑戦者と応援者をつなぐことで、北海道を舞台に新しい価値が生まれるような、良い意味で挑戦の敷居が低い北海道を広げていきたいと思っています。

「ほっとけないAWARD」の「カンパイ☆ファンディング」

「ほっとけないAWARD」という言葉は、サッポロビールの「泡」にかかっています。まぁこの小ネタは、あんまりウケないんですけども(笑)ビールやソフトドリンクで乾杯すればするほど、チャレンジャーにお金が溜まっていくユニークな仕組みの「カンパイ☆ファンディング」で、挑戦者を応援します。今回は、サッポロファクトリーのアトリウムにある店舗さんにご協力いただき「カンパイ☆ファンディング」を開催させていただきました。

全国に仲間を。「DO!民」で繋がるオンラインコミュニティ

この「ほっとけないどう」は、2019年6月にスタートしたばかりなのですが…

DO!民数 680人
累計イベント来場数 483人
カンパイ☆ファンディング 22,280杯
ファンディング総額 732,280円

以上を応援してくださるみなさんのおかげで達成できました。これからも、コミュニティの輪を広げ、道内だけではなく、道外からも北海道に積極的に関わっていける仕組みを作っていきたいと思っています。今は北海道を離れて暮らしているけれど、なにか北海道に関わることをしたい!という方も大歓迎です。オンラインコミュニティ「DO!民=やる民」に、ぜひご参加ください。全国の仲間と繋がっていきましょう!

★DO!民登録は、こちらから



それでは、三人の挑戦者のプレゼンテーション&ブレインストーミングが、いよいよスタートです!

「ほっとけないAWARD」の三つの掟は、

①『全部、ジブンゴト』
みんな仲間だと思って、自分のことのように考えよう

②『なんか盛り上がってみよう』
ガヤ大歓迎

③『アイデアは数勝負。仲間の発想に乗っかろう』
自由な発想で、登壇者のアイデアを膨らませよう

挑戦者①空撮映像で、地域を盛り上げたい。<幌延町出身>伊藤 広大さん(ドローングラファ/GEOGRAMSプロジェクト代表)

まず自己紹介代わりに…と、伊藤さんの制作した空撮映像が流れた途端、あまりの映像の美しさと壮大な迫力に、息をのむ会場のみなさん。「長く住んでいるのに、こんな北海道は知らなかった…」という声が多数あがっていました。

幌延町出身の伊藤 広大(いとう・ひろき)さんは、まだ知られていない北海道のマイナーな場所に焦点をあて、自然景観(GEOGRAPHY)や地理地形、ランドスケープなどをドローンを使って鳥の視点で撮影する映像制作を行っています。映像の軸は主にふたつで、ストーリー性を持ったショートフィルムと観光映像を手がけています。GEOGRAMSとは、GEOGRAPHY + PROGRAM(S)をかけ合わせ造語としてつくった名前なのだそうです。

この1年半で200本もの動画を公開し、Google統計データでは130万回再生を越えています。作品は国内外でも高く評価され、2018年にDrone Movie Contest / Japan Drone 2018(日本)グランプリと審査員特別賞を受賞。2019年には、日本をはじめアメリカ・オランダ・ドイツ・キプロス・オーストリア・クロアチアetc…で多くの賞を受賞されました。海外で映像が高く評価された理由には、北海道の認知度がまだ低く「極東の端っこにこんな景観があったなんて…」という驚きも受賞のきっかけになったのでは、といいます。

「ドローンによる北海道の新たな風景は、これまであまり世界中の人達に見られる機会がなく、かつ多くの人々にとって心揺さぶり感情を想起させるようなエモーショナルなものであり、様々な国の人たちより価値を感じていただいていると自信を持ってみなさんに伝えられます。」と伊藤さんは、仰います。今、世に知られている北海道は一部のみであり、地方まで足を伸ばして行ってみよう!と思う観光客は少ないという現状があります。知られざる素晴らしい場所が沢山あるからこそ、北海道で生きる私達自身が探し、映像として切り取り、カタチにして伝えていくという努力をしなければいけないと考え、道内では160箇所をまわりながら空撮映像にしてきました。また、ドローンはコストパフォーマンスが大変良く、合理的な制作をできるのも魅力。少ない費用で世界へチャレンジをすることも可能なのだそうです。GEOGRAMSの目的は、北海道のポテンシャルをカタチにして世界へ届けること。様々な地方や産業において信頼を深め、今後さらなる挑戦と活動の輪を広げていくための活動にファンディングは活用していくそうです。

伊藤さんのブレストテーマは…
・ドローン空撮 × 北海道のさらなる可能性について
・活動の結果、生まれる成果物を更に有効活用する方法とは?

ブレストタイムでは、大学生や社会人から積極的に意見や質問が交わされていました。総括での「俺の町には何もないじゃんと言葉にはしながらも、そんなことはないとわかっている観光課の方達がたくさんいる」という言葉が印象に残っています。どうゆう場所を空撮で撮ったらいいというのは、地元の人たちは思い描いていたりもしているそうなのですが、規制を乗り越えていくのが困難なポイントで、自治体の人自身がどう許可を出していいかわからないという状況があるようです。しかし、同時に様々な課題を乗り越えていくことにも楽しみがある、という頼もしい一言が。地域の魅力を発信したい、もっと活性化させていきたいというニーズは、地方で高まっています。地元の方や学校の子どもたちにアンケートをとったり直接意見を聞いていきながら、これからもドローン撮影による制作をしていきたいとお話されていました。鳥の目線で見る北海道の映像には、人の心の刺さるなにかがあります。まだ誰も知らない北海道が、世界中へ届けられていくという期待感が広がりました。

伊藤 広大さんの空撮映像は、こちら▼
★HIROKI ITO

挑戦者②「オイシイ。でツナガリタイ。」<北見市出身>川口 洋史さん(MASS-COSMO LLC / 魚食系男子project)

「魚食普及や地域振興に向けて、できることをなんでもやります」という姿勢で活動をしてきたという、北見市の漁師の川口洋史(かわぐち・きよふみ)さん。2009年、魚食普及を目指した「魚食系男子project」を立ち上げ、「オイシイ。でツナガリタイ。」をモットーに、美味しく楽しく魚の魅力を多くの人へ届けながら、地域のためになるような草の根的な活動を10年以上に渡り、地道に一人で続けました。直販・加工品販売だけではなく、子供向け料理教室や入院食レシピの開発、イートインイベント企画・運営を行なっています。イベントは、山の魚の水族館で魚を見ながら魚を食べるというちょっとシュールな<道東さかなLOUNGE>や、魚を取って捌いて料理して食べてもらいながら、音楽をかけて踊りましょう…という音楽と魚が融合したユニークな<Ku-kai?>など、「美味しい」と一緒に幸せな時間を届けています。




近年は、新聞やラジオ・テレビや雑誌だけではなく、車のCMにも出させていただいたりとメディアからの取材も増えました。「もしかしたらだんだんと社会にも認めていただいてきているのかもしれない…そろそろちゃんと事業としてやっていこう!」と決断をした矢先、急性リンパ症白血病という大病にかかります。7ヶ月に渡る入院とハードな治療、闘病中ほとんど身体も動かせない状況であるにも関わらず、ビデオ通話を通じて若い漁師たちと準備を続け、2019年7月に合同会社Mass-Cosmo(マス・コスモ)を立ち上げたのだそうです。中学校を卒業するくらいから、地元の魚をブランディングしたいと思い、半生全てをかけて生きてきたという川口さんの強い信念。Mass-Cosmoの意味は、「樺太鱒」と「大衆」を意味する=Mass(マス)と、宇宙から見たらみんな同じだよという想いを込めた=Cosmo(コスモ)。事業では、直販・加工・イベント企画を中心に、魚の美味しさを最大限に生かす特殊冷凍装置「3Dフリーザー」も導入し、仲間と共に漁業経営を行いながら、地域や社会が必要としているものに民間ならではのスピーディなやり方で、どんどん再投資していこうと考えているそうです。

川口さんが、人生と命をかけて目指しているのは、人と人とが繋がり本質的に幸せになれる持続可能な社会。ブレストのテーマは、「みなさんが幸せに暮らすために、あったらいいな。と思うものはなんですか?」ブレストタイムでは、おいしいものを食べていくというのは、しあわせだなぁとみなさん感じているという共通認識がありました。事業として質の良い美味しい魚を、都市圏はじめ多くの地域へ広めていくことを目標にしながらも「その後の私たちがやることを見ていただきたい」と川口さんは強調します。「持続可能な社会といってもピンとこない人も多いと思うので、モデルケースをつくっていきたいと思っています。事業で生み出したお金をススキノや高級車に使うのも良いけれど、もっと地域や社会のために再投資するということを広めていけたらと考えています。」みんなの幸せを真剣に考えながら、命を燃やして戦う姿が垣間見えました。

「オイシイ。でツナガリタイ。」
★MASS-COSMO LLC


挑戦者③「北海道の外国人労働者を、彼らの母国語で笑わせたい」<旭川市出身>とにかく明るい安村さん(吉本興業(株)所属/お笑い芸人)

続いての挑戦者は、「安心してください、はいてますよ!」で人気を博した、とにかく明るい安村さん。Tシャツにパンツというセクシー(変態的)な姿で登場しました。安村さんの楽しいプレゼンテーションで、サッポロファクトリーのアトリウムが、ほがらかな笑いに包まれました。さてさて、安村さんの挑戦とは、一体どんなものなのでしょう?!




安村さんの挑戦は、外国人労働者を彼らの母国語で笑わせるお笑いライブをしながら、北海道内を巡ることです。日本の外国人労働者は、現在約146万人。北海道には、約2万人ほどいるそうです。「あれ?意外と少ないのですね(笑)」以前、韓国の釜山国際お笑いフェスティバルのオープニングセレモニーで日本人代表として、お客さん2000人の前でネタをやったら、大盛り上がりした経験があるのだとか。実際の韓国での映像を会場で流していたのですが、「アンニョンハセヨ!とにかく明るい安村イムニダ!」(こんにちは!とにかく明るい安村です!)と韓国語で挨拶し、あのおなじみのネタを披露すると数千人が大笑い。韓国で韓国語の一時間半のライブをやったこともあるのだそう。しかし、国によって様々な規制があるようで、韓国でも肌色の全身スーツを着て挑んだといいます。


そんな、とにかく明るい安村さんからのブレストテーマは、「北海道に暮らす中で、外国人と接して感じることを教えてください!」でした。ブレストでは、道内の農家をやっている経営者の方から、「うちで働いているベトナム出身の青年たちが、温泉などで裸を見せ合うのを苦手そうにしている」という話が出ていました。安村さんのグループでは、終始、全員がとっても楽しそうな笑顔。人を楽しませる天才なのだなぁと感じました。故郷を離れて寂しい想いをしている外国人労働者も、きっと安村さんの芸で笑顔になるに違いありません。母国語で笑わせてもらえたら嬉しいはずです。合言葉は、「外国人労働者だってほっとけないどう!」安村さんの道内179市町村「母国の言葉でお笑いライブ」は、果たして実現するのでしょうか?(笑)応援しています!

最後は、北海道ローカルCM「ジョブキタ」担当<下川町出身>金子智也さんのスペシャルライブ!アンコールも。

今回のほっとけないAWARDは、シンガーソングライター・金子智也さんによるミニライブで締めくくられました!ポップなギターサウンドと親しみやすいメロディー、そしてハッピーなかけ声に、会場は大いに盛り上がりました。演奏後には、アンコールが起こり、金子さんは「え、想定外。」と笑いながら嬉しそうにアンコールに応えてくれました。最後は、全員で記念撮影をしてから、自由解散となりましたが、その後も各々に語り合ったり、名刺交換する様子が見受けられました。

スタートから4ヶ月。これから繋がる、ほっとけない、北海道。

挑戦者と応援者を繋ぎ、北海道を舞台に活躍する人たちの輪が広がっていけばいいなと「ほっとけないどう」がスタートして、4ヶ月。運営チームも確かな手応えを感じ始めているようです。これからも「どうなっちゃうの?を、やっちゃうの!」な北海道を引き続きよろしくお願い致します!

(ライター Natsumi Miki)
(写真 ヤリミズユウスケ)

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