
「やってきましたーー!旭川ーー!」
五十嵐さんと成田さんのいつもの響きわたる声で始まったほっとけないAWARD!
今回は初めて札幌を飛び出し、旭川にあるWORLD HALLさんからオンライン配信という形で行われました。
「北海道がでっかいどうだからこそ、いろんな場所に行きたかったのよね。」
「札幌を盛り上げるわけじゃないからね。北海道を『ほっとけないどう』だから。」
お二人も、札幌外から北海道を盛り上げる初めての機会にわくわくしながらスタートしました。
「まずは乾杯しないとね」
「どうなっちゃうの?!」
「「やっちゃうの!」」
実は、この乾杯こそが、挑戦者を応援することになるのです。
カンパイ★ファンディングといい、ビールを買ったお金の一部が挑戦者の支援金になるという、すばらしい仕組みになっています。
詳細・購入はこちら!
https://www.sp-mall.jp/shop/e/eS2htkn/
「『消費は未来への投資』っていう考え方が好きなんですよね。買うというのは、なんでもいいわけじゃない。買うことで、その人のことを応援している。サッポロビールはもちろん、挑戦者の方々を応援する、そのような思いを促進する、そんな機会、投資になると思うんですよ!」
「とにかく、北海道で一番熱い夜を作ろう!と始まった企画ですから、みんなでたくさん乾杯して盛り上げていきましょう!!」
お二人の熱い思いがさらに会場の熱気を掻き立てます。
一緒に北海道を盛り上げたい、応援したい!そう思った方はぜひDO!民のLINE登録をして、最新情報をゲットしましょう!
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さあ、この熱い空気のまま、3名のAWARDが始まりました!

森と街の距離を近づけたい!野中瑠馬さん
「初めまして、木こりの野中と申します。
いきなりですが、『この後、森に行かない?』こう言われて、皆さんどう思いますか?
かつて、同級生の女の子に怖っと引かれたことがあります。
なぜ怖がられるか、それは”脈絡”がない、その人にとって森が当たり前じゃないからです。
今日の僕の話を聞いて、あなたに少しでも森に脈絡ができたらなと思います。」
こんな話から始まった野中さんの発表。
確かにいきなり言われたら…と考えてしまいました(笑)
野中さんの森への思いに、興味が湧きます。

「なぜ私、木こりは森と人をつなげたいのか。それは、林業を、人間のペースではなく、森のペースで進めていくためです。この『きれいな林業』は、自然循環の中にある森のため、さらには、人間のためにも必要です。
例えば、僕の森の隣には、江丹別の青いチーズの材料となる牧草があります。僕が汚い仕事をすると、水を介して牧草を、そしてみんなが口にするチーズを汚してしまうんです。」
森のペースに合わせないと、森、そして水も汚れてしまって、さらには里山地域の酪農、農業にまで影響が出てしまいます。
森のペースに合わせるには、消費者の理解と、切りすぎなくても稼げる林業が必要。
また、そのために民間企業、林業者、消費者、みんなが森とつながり、知るきっかけをもつ必要があると、野中さんは考えています。
「そこで僕は、20代13名、森に関わるメンバーを中心に、『コミュニティモリノワ』というコミュニティをつくりました。森林保全に関わることから、それぞれがもつ目標がやりたい事業を、互いに構築段階から協力し合う関係性ができています。それらが地域貢献にもつながっています。
つまり、それぞれが持つやりたいことを様々な入り口として用意して、出口は森、結果的に森とつながるようになる状況を作れています。」
実際に『コミュニティモリノワ』から、場所としてキャンプ場やカフェのオープン、商品としてはウエディングフォトや焙煎、コスメ、木工など新しいものがどんどん生まれてきているのだとか。ちなみに、この活動のおかげで、人口が2,3年で10%前後増加したそうです!すごい!

「僕の理想とする『きれいな林業』には、環境保全などと難しく考えすぎず、そこに入った人が楽しむ、森をきっかけに利益を生むなど、人にとって得を生むことが大事だと思います。その結果、それぞれが当事者となることで森への保護心は自然と湧いてくるはずです。
例えば、まず、笹を刈ります。そして、きれいな道路をつくります。その上で、木を間引き、木材を出したり加工したりします。この絵のように、そのまま遊べたり、コーヒーや散策だったりができる、そんな状況を整えながら林業をしたいです。」
だんだんとにこやかになりながら発表される野中さんにつられ、私も思わずきれいな林業や森を想像させられました。
「さて、最初に申し上げた『森に行かない?』という問い。
これに対して、今、皆さんが違和感を感じていなかったら非常に嬉しく思います。」
わ、やられた!もう森に行きたいに決まってる!(笑)
そう思わせられた、すてきなプレゼンでした。

旭川を拠点に札幌で展開できるケータリングサービスの仕組みを作りたい!細川紗輝さん
「初めまして、細川さきといいます。
今回のプレゼンでお伝えしたいことは大きく2つです!
まず、スライドの中で羊がたくさん出てくるので、羊の魅力に囚われてください!
あとは、せっかくなので、私のことを『ほっとかないで』ください!!」
わわ!ほっときません!(笑)
細川さんのつい応援してしまいたくなる愛嬌に惹きつけられたのは、私だけではないと思います。
「ということで、羊の成長に合わせて私の自己紹介をしたいと思います。」
?!
「まずラム時代(高校・大学時代)。食品添加物に興味をもったことをきっかけに、札幌にてオーガニック食材を基調としたオーダーメイドケータリングサービスをしておりました。ホゲット時代(社会人)。ラムとマトンの間をホゲットというのですが、このときは食から住の領域へ転身しまして、東京の都内で中古のマンションの営業をしておりました。で、マトン時代の現在で、…」
羊の成長と合わせて、細川さんはさまざまな経験をされていたのですね。
この学生時代の経験が今の挑戦にもつながっています。

「私は羊さんを超リスペクトしております。その理由は、衣食住すべてを作り出せる唯一の生き物だからです!それだけではなく、見てわかるように『癒やし』、はい、これが全てです。
ということで、私は現在、羊とともに衣食住をつくって、心と身体、そして環境をあたためるをテーマに事業を展開しています。」
確かに、牛、豚、鶏の衣や住は想像しにくいかも…皆さんも羊の多彩な一面をはじめて認識したのでは?
そして、細川さんの羊への愛も伝わってきました。
羊とともにある事業の一つとして、江丹別に2ヶ月前に「CAFE&SHEEP」をオープン。羊の骨肉を使った出汁を使ったカレーがあったり、カフェに羊がいたり、羊を存分に楽しめる場所になっているそうです。また、衣の部分としては、ウール100%のサウナハットの開発なども行なっているそうです。

「そのカフェの中で、実は大学生ぶりにケータリングを再開しました。
その札幌進出に、コロナによって経験できていない学生を巻き込んでいきたいと思っています。
ケータリング事業をしていた大学時代、実績のない私に、いろいろな方が手を差し伸べてくださいました。口コミで広めてくださったり、この場所使っていいよとサポートしてくださったり。これを『恩送り』していきたいんです。」
学生の学外活動が制限されている中でも、こういった経験を通して少しでも多くの学生さんの次なる選択肢や可能性を広げていきたい、そんな思いがひしひしと伝わりました。
この実現のために、ご注文を企業様から頂いて、それを実際に札幌の学生や大学と連携して、仕組みを作る準備をされています。
細川さんの羊への愛、そして学生も含め関わるすべての人の心・身体、そして環境全体をあたためたいという思い、それらがまっすぐ伝わってきました。
これだから、細川さんのことをほっとけませんね!(笑)

創造性で社会を変えることを目指すヒトが集まる安全基地をつくりたい!松井丈夫さん
「こんばんは、松井と申します。
まず、質問に答えさせていただきます。森、行きますのでよろしくお願いします。(笑)」
野中さんの質問への回答から始まりました(笑)
「私は、上川町で教育のプロデューサーをやっています。
私のやりたいテーマは、『感覚と想像力を養う”自然体験”』と『変化の激しい時代に備えた”ICT教育”』の2つの融合です。これを上川町で盛り上げたいなと思っている人間でございます。」
今はアカデミックプロデューサーとして、教育に熱を注ぐ松井さんですが、大学時代はプログラミングを行なっていて、システムエンジニアを目指していたのだとか。教育系の論文を読んだり、卒業論文を書いたりしているうちに、幼児教育の奥深さに目覚めて保育免許をとり、地元の旭川で10年以上幼稚園教諭や保育士をされていました。現在に至るまでに、さまざまな背景を持たれているんですね。

「上川町の強み、3つをとにかく紹介したいです!
まず、上川町の役場が半端ない!!『これやりたいんです』に対して『あーなるほど、いいですね』『こうしたらどうですか』と伴走してくれます。
2つ目は、めちゃくちゃ魅力的な施設、場がたくさんあります!例えば上川町ヌクモは、チームラボがプロデュースしているプログラミング体験が常時展示されていて、これは日本でここにしかないんですよ…!一方、大雪山国立公園で自然も感じられて、最先端技術と自然の融合に一番だと思っています!」
補助金の案内など、専門的なアドバイスをしながら応援してくれる役場の素晴らしさを熱弁されていました。また、施設や場はヌクモだけでなく、交流&コワーキングスペースPORTO、たいせつの絆、それ以外もたくさんあるようで、全てを紹介できないのが悔しそうでした。
「3つ目は人です。町民はもちろん、企業とも繋がりやすいです。あしたの寺子屋さんと子どもたちの夏休みを盛り上げたり、えぞりす企画さんと自然教育を一緒に企画したり。今日お会いできた野中さん、細川さんももちろん、掛け算のコラボがしやすいのが魅力だと思っています。」
と言っていたときのスライドには様々な企業さん、連携協定先の名前がありました!「あしたの寺子屋」さんは、なんとほっとけないどう歴代挑戦者の嶋本さんが運営されている団体なのです。嶋本さんの挑戦が、松井さんの挑戦を刺激するといった連鎖する繋がりがあるのは素晴らしいですね。
また、教育を核としているという点でも、コラボしやすくなっていると、松井さんは言います。

「そんな上川町で変わり者の私が実現したい安全基地は、場所を固定しません。なぜなら、上川町にはポテンシャルがたくさんあり、上川町の周りにも色々な場所があるからです。
というのも、変化の激しい時代で、変わらないことといえば『子どもが大人になる』という事実。その大人になるという過程の中では、固定された場所より、今その時に合った最適なモノを提供したいと思っています。
また、『ナナメのオトナ』という親や先生以外の大人、魅力のある人とたくさん関わりを持って刺激をもらってほしい、そこをつなぎたいと思っています。それは、…」
安全基地について語る松井さんの話は、尽きることがないようです。
きっと、こうしたい、これもあったらいいな、そういった思いが上川町での活動を通して大きくなって、今もなお増えていっているのだなと感じました。
さらに、今回話されていた安全基地はほんの一部だと思いましたし、今後変化もしていくと松井さん自身もおっしゃっていました。そのため、他のたくさんの大人の意見も聞きながら、もらいながら、教育を盛り上げたい、と松井さんは言います。
教育に熱いこの松井さんの姿に、自分の教育、学びに対する考えをぶつけたい、と思った人が多いのではないでしょうか。

ZOOM開催!アイデアブレストタイム
AWARDの熱い空気感のまま、アイデアブレストタイムに入りました!
挑戦者3名とそれを聞いていた参加者の方々が言葉を交わします。
まず、参加者の方から感想をいただきました。
すると、挑戦者の方の思いに参加者が影響されていたことはもちろんですが、参加者の方も教育事業やシェアハウスなど、自分のやりたいことにチャレンジしている方が多く、挑戦者のお3方も刺激を受けていました!

野中さんのブレストテーマ:森と町を近づけるためのシステムや方法として、何がいいと思うか。どういったことを体験できれば森に行ってみたいと思うか。
一同が「あ~」と唸っていたのは、虫が多いこと、トイレが水洗式でないこと、など意外と考えてしまうというところ。身近な生活に関わる部分が、意外と街にいる人が考えてしまうよね、と話しあっていました。
また、レベル1の関わり方が大事だね、という話も出ていました。いきなり難易度の高い関わり方ではなく、カフェなど街の人が入りやすい入り口があれば関わりやすいかもという意見も。野中さんとつながりのある細川さんは、野中さんの森は入りやすい、遊べるコンテンツが多く入ってもいいんだと思えるとのこと。皆さんも、これを機に森に興味が出たようでしたら、まずは野中さんの森を入り口に、ぜひ立ち寄ってみてください!
細川さんのブレストテーマ:ケータリングを受け入れていただける企業様とどうつながっていくか、どこが相性がいいのか。
大学や学生側とは、繋がれているという細川さん。札幌のケータリング事情、また、ケータリングを頼む時の思い、感情などをみんなで議論しました。
「ケータリングって、意外とコスパとオシャレさでしか見ていないよね」「でもなんでもいいわけではないけど、そこまでこだわる時間がない人たちもいる」など、ケータリングを頼むときの心情を洗い出しました。
こんな企業目線の話を聞いていると、学生さんに自信を持ってもらうには?、どんな経験をしてもらいたいか?を中心に考えたいな、という細川さんの思いを再確認できたようでした。
そんな話から、「保育科とつながって、現場の食育に使うのはどうか」と、松井さん。素材、栄養など、相手、人のことを考えて提供できる機会になりそうと一同納得していました。また、フードロスなどと絡めても、人や社会を考えるきっかけになりそう、などアイデアが膨らんでいました!
松井さんのブレストテーマ:今皆さんが学びたいことを教えてください!教育が盛り上がるコンテンツを知りたいので。
参加者さんから、防災と森・自然との関わりについて学びたいという声があがりました。そこで、野中さんから、土砂崩れなどの防災に対して自然サイクルを促すほうが効果が高いという話があったのですが、このような言葉を子どもたちに伝えたいんだと松井さんは言います。現場にいる人が伝える言葉はメッセージ性が高く、敏感な子どもにちゃんと伝わるから、こういった機会をもっと設けたいと再認識されていました。
また、1から何かを作る機会が少ないのではないかという課題感も上がりました。近年は、スマホなど高度な技術で完成しているものが多く、最初から作り上げる経験が少ないと感じるのではないでしょうか。すると、野中さんが実際に学生さんと企画から作り上げるまでを行う経験をされており、野中さんの森にそのモノが「残り」、またそこに帰ってこれる素晴らしさを、松井さんは実感していました。
このように、今回は、参加者さんも巻き込みながら、挑戦者たちの互いのやっていることを組み合わせたアイデアで盛り上がっていました!新しいアイデアから、新たなモノ・コトが生まれますように。そして、3人の挑戦をもっとたくさんの人が知って、巻き込まれていきますように。これからも、3人の挑戦は見逃せません!
