Project 41

駆除されたエゾシカをレザースカートへ!北海道の資源を活用してエシカルを実現

登壇日

久保 えりな

札幌市内の現役大学生。レザースカートが欲しかったものの、気に入ったものが見つからなかったため自作(委託)。北海道への愛からエゾシカの革を使うことを決意。現在クラウドファンディングに挑戦中。

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プロジェクト概要

はじめまして、久保えりなです。
北海道札幌市で生まれ育ち、札幌市内の大学に通う24歳です。現在、北海道で駆除されたエゾシカの革を活用してスカートを作っています。

環境先進国ドイツでの生活を経て、エシカルやエコロジーについて考えさせられることが増え、エゾシカに注目しました。道内で年間約10万頭が害獣として駆除されているものの、それらはほぼ活用されていません。それらの命を無駄にしないために、ファッションという切り口で貢献していきます。

プロジェクト背景

このプロジェクトは私が「レザースカートが欲しいな」と思ったことから始まります。レザースカートを求めていた私はインターネットで探索活動を続けるも、コレだ!と感じられるものを見つけられませんでした。「それならいっそ作ってしまおう」と考え、製作に至りました。せっかく作るなら「何か付加価値をつけたり、課題を何か解決したり、協力出来るようにしたい」と思い、エゾシカの革を使うことに。私がエゾシカの革を選んだ理由は「生命」により向き合う必要があると実感したからです。

私が暮らしていたベルリンではヴィーガン(完全菜食主義)やベジタリアンが特に多いことで知られています。彼らと接する中で「いのち」とは何なのか、「命を奪う」とは、「食べる」とはどういうことなのかについて深く考えさせられる事が何度もありました。もし、いのちを自分たちのために使うなら、そのいのちに向き合い、感謝しながら全てを使い切ることがあるべき姿勢だと強く感じました。

平成30年度のエゾシカに関する道の調書より、エゾシカは活用しきれているというにはほど遠く、まだまだこれから伸びしろがある分野だと思います。ファッション業界では、エコやエシカルという流れの中で、リアルレザーやファーの取り扱いを止め、エコレザーやフェイクファーといった代替品を使用していくブランドが増えています。私はその流れを悪いことだとは思いません。服のためだけに殺される命はあってはならない、しかし殺すのであれば骨の髄まで全て使いきることが生命を奪った者の義務だと考えているからです。

作りたいものはいろいろあるのですが、ただ可愛い服を作るだけであれば、他の会社が既にやってくれていることなので、私の出る幕ではありません。私が実現していきたい「ファッション」は、ただかわいいもの、売れるものを作ることではなく「全てのいのちを尊重する」ことを念頭においたものづくりです。ファッションが生まれる過程で、誰かが辛い思いをしたり、悲しい気持ちになったりしてほしくない。生産から消費まで、誰もが尊重されるべきだと考えています。

プロジェクトで何を実現したいのか

「エシカル」という言葉をご存じでしょうか。最近よく聞くようになったけど、実際よくわからない......という方が大半なのではないでしょうか。
SDGsや持続可能な社会という言葉も同様に、聞いたことはあるけどわからない、ピンときていない......という方が多いと思います。このプロジェクトをきっかけにそれらを知っていただくと共に、生活や日々の消費活動の中で、エシカルやフェアであることを意識し、考えていくきっかけにしていければと思っています。さらにこのプロジェクトを通して、北海道の課題を解決し、北海道の活性化をしつつ、私自身のクリエイションを続けていきたいです。
全国のみなさまに「北海道産のカニ」「北海道産の牛乳」のように「北海道の鹿革」を新しい価値として提案していきます。

ファストファッションの台頭で、ファッションにおける消費の在り方は大きく変化しました。せっかく何かを買うなら、誰かの犠牲によって生産されたものではなく、フェアで、誰も悲しまずに作られているものを買いませんか?
大量生産・大量消費の時代から、持続可能な社会を考える消費の時代へと変化しています。少しでも多くの方に、生産の背景・社会、他者への思いやりを持って消費活動をしていくようになってもらえたら、と願っています。

資金の使い道

現在大学に通いつつ、アルバイト代でどうにか開発費を捻出しました。革ということもあり一度に動く額が大きく、生産についてもまとまった金額が必要になってきます。いただいた資金は全て、革代や縫製費用、裏地、サンプル製作費用など、スカートの製作費用に使わせていただきます。

最後に(支援のお願い)

現在、鹿革の認知度は日本国内ではいまだ高いものではなく、どれだけ人々の興味を集められるか。そして、このエシカルブームの中でどれだけ認知度や話題性を高めていけるかが課題です。

ただ処分されるだけの、浮かばれないエゾシカのために。持続可能な社会のために。そしてこの北海道のために。なにかひとつ、消費活動を考えるきっかけになれば、と願っています。