Project 51

近年爆増した「ブリ」を新たな北海道の資源とすることで、地域を盛り上げ、豊かな海の食文化を未来に引き継いでいきたい!

登壇日

國分 晋吾

1982年生まれ、埼玉県出身。観光で訪れた函館の「食」に魅了され移住。食の仕事に携わる中で、「持続可能な海の食文化」に課題を感じ、「いただきます」のその先を感じてもらうべく、海と食プロジェクトを立ち上げる。

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プロジェクト概要

函館市在住、日本財団 海と日本プロジェクト「海と食」プロデューサーの國分晋吾と申します。普段は、複数社の会社に役員として携わりながら、主に「食と地域」をテーマに活動しています。私はもともと埼玉県出身で、12年前に観光で訪れた函館の「食の魅力」に惹かれて移住をしました。野菜やお肉ももちろんですが、やっぱり北海道の「海の幸」に強く心を惹かれました。

函館に移住後は、地域食材を販売する事業を起業したり(4年間で失敗)、函館蔦屋書店のオープンで企画に携わったり、地域を代表する外食企業で人事やマーケティングに関わったりと、少しドタバタではありますが、様々なキャリアを函館で経験してきました。その間に、函館出身の妻と出会い、子供も2人生まれ、家も買い、改めてこの北海道という場所が、地元となった気がしています。

2020年に「食と地域」の未来に何か貢献できることはないかと、2回目の起業を決心しました。その時にご縁があり、近年急激に漁獲が増えた「ブリ」の仕事に出会いました。現在は、日本財団 海と日本プロジェクトの一環で、「ブリ」を新たな地域資源にすべく、地域でのブリ食ムーブメントづくり(ブリ活)、メニュー開発、商品開発と様々な挑戦をしています。

プロジェクト背景

函館及び渡島管内のブリは、近年急激に水揚げが急増しました。渡島館内でのブリの漁獲量は2008年325トンだったのが、12年後の2020年には34倍超の1万1128トンに。函館は2020年全国2位の漁獲量を誇る、一大ブリ産地となりました。一方で、地域を代表する名産「スルメイカ」は2020年には2,218トンと、漁獲が急落しています。

これらの背景には、海水温の上昇があります。函館のブリ産地である南茅部では年間平均水温がこの20年で0.9度も上昇しています。(1度の上昇で海洋環境には影響が甚大)そして、海水温の上昇には地球の温暖化などが関係しており、改めて私たちの生活と海が密接に関わっていることを知りました。

一方で、北海道ではブリを食べる食習慣が根付いていないのが現状です。ブリの全国消費量は道内トップの札幌市でさえ全国平均の半分程度。どうしても、味や食感に馴染みがなく、食べ方もわからないので遠ざけられている印象があります。結果、函館のブリは地域に流通せず、多くが冷凍され海外に出荷されています。
これは本当にもったいない!そこで、2020年に、地域の仲間たちと一緒に日本財団 海と日本プロジェクトの一環で、「函館で地ブリを〜ブリリアントな海の未来へ〜」をテーマに掲げて活動を始めました。まずは子供たちに食べてもらえる商品を作ろうと、試作を重ねて、ブリを牛乳につけ、昆布オイルで混ぜて揚げ、好みのタレをつけて食べる「函館ブリたれカツ」を考案しました。

それを学校給食で提供したところ、子供たちから大好評!その後、函館市内の飲食店20店舗と連携をして、函館ブリたれカツを提供してもらいました。新聞やテレビなど数多くのメディアの方にもご注目いただき、良い立ち上げになりました。
2021年はさらに幅広い年代の方に食べてらうべく、「函館ブリたれカツバーガー」を開発して、キッチンカーで3,000食以上販売しました。子供も、若者も、大人も、たくさんの人にブリを食べてもらうことで、その背景にある「海の問題」にも興味を持ってもらえるように活動をしています。

プロジェクトで何を実現したいのか

このプロジェクトで実現させたいのは2つです。
1つ目は、ブリ急増の背景になっている、海洋環境の変化に興味関心を持ってもらうことです。季節になると楽しみな海の幸や、多様な食文化、忘れらない思い出や、かけがえのない体験が「海と食」には詰まっています。

でも、海には今、様々な危機が迫っています。海ごみ、マイクロプラスチック、乱獲による資源不足、等々私たちが当たり前のように享受しているこの「海の恵」を30年後も、50年後も繋いでいけるのか、現時点では分かりません。そしてこの事実を我々はあまり認識しておりません。30年後にも豊かな海の恵みがあるように、まずは「おいしい、以上に知ってほしい海がある」を伝えていくことが大切だと思っています。

2つ目は、地域に前向きなメッセージを届けることです。イカがとれない、シャケもとれない、サンマもとれない。コロナで観光客も減り、人口減少は歯止めがからず、ローカルには「無くなっていくこと」だらけ。そんな中で、少しでも前向きに、変化に適応しながら、新たな可能性を地域に示していきたいのです。
とれているブリに目を向けて、ブリリアントな未来をつくろう!と、前向きに発信し続けることで、誰かの何かの希望になれるように、明るい未来を描いていきたいと思っています。

だからこそ、地域の食文化に残る何かを生み出していきます。飲食店での提供はもちろん、学校給食やスーパー惣菜コーナー、そして家庭での定着。函館で「地ブリ」が浸透していくことで、一過性のものではない、食文化として根付いていきます。そこから初めて、地域外の人にPRできる商品開発が可能となり、そこから「ブリ」が資源となっていくんだと思っています。

資金の使い道

上記の通り、函館で少しずつ根付いてきた「函館ブリたれカツ」。今は「ブリ節」を開発しています。そのブリ節が開発されれば、例えば「函館ブリ塩ラーメン」とか、「ブリ節醤油」とか、様々な商品や企画と連動させて、また新たなブリの資源としての魅力を発掘できると考えています。(「函館ブリ塩ラーメン」は試作したブリ節で現在開発中です)その商品を通して、海の今に興味を持ってもらうメッセージを発信していきたいと思っています。
今回の資金は、そのブリ節関連商品の企画や開発に資金を活用できればと考えています。

最後に(支援のお願い)

長々とお付き合い、ありがとうございました。私は、北海道に移住して、様々な魚介類やその食文化を通して、「海の豊かさは、人生の豊かさ」であることを体感しました。そして、その「海の恵み」も無限ではなく、有限であることも知りました。
私には夢があります。それは20年後か、30年後か、自分の子供たちと今と変わらぬ「地物の魚介」を楽しみながら、酒を酌み交わすことです。そんな当たり前の幸せを未来に引き継げるように、ブリを通して海の大切さを伝えていきます。そして、様々な可能性を開き続けることで、未来は明るい!と思える地域をみんなでつくっていきます。